ド派手な「風俗広告トラック」は街の風景か、単なる害悪か? 東京都の規制強化にちらつく役人の浅知恵、曖昧な規制は表現の自由を侵害する

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東京のあちこちで見かけるアドトラック。なかでも、独特のテーマソングを流しながら走る性風俗店などを専門とする求人情報サイトのアドトラックは、もはや東京の“風景”の一部になっている。

広告宣伝車は東京の“風景”か

東京都が店舗等に取得を求める、新型コロナウイルスの「感染防止徹底宣言ステッカー」を宣伝するアドトラック。2020年9月8日撮影(画像:時事通信フォト)
東京都が店舗等に取得を求める、新型コロナウイルスの「感染防止徹底宣言ステッカー」を宣伝するアドトラック。2020年9月8日撮影(画像:時事通信フォト)

 東京のあちこちで見かける広告宣伝車(アドトラック。荷台に大型広告を掲示するトラック)。なかでも、独特のテーマソングを流しながら走る性風俗店などを専門とする求人情報サイトの広告宣伝車は、もはや東京の“風景”の一部になっている。

 しかし、そんな風景は間もなく消滅するかもしれない。4月に首都圏の9都県市が、派手な広告が交通事故や景観悪化の原因となるとして統一した規制を行うことを決めたからだ。はたして広告宣伝車は景観悪化の原因なのか、それとも東京の風景の一部なのか。

 この規制強化に異論を唱えているのが舛添要一氏だ。不祥事で辞任したとはいえ、元東京都知事である。舛添氏が規制に異論を唱える理由は、規制の曖昧さだ。『ABEMA的ニュースショー』に出演した舛添氏は次のように述べている。

「パリは19世紀に建物は『何階以上はダメ』『奇抜な色はNG』と都市計画に則ってルールを定めた。しかし、トラックなどの『動くもの』を規制するのは難しい。例えば派手な装飾をほどこした長距離トラックが高速での事故を避けて、首都高から下りて都内の普通の道を走る際、それは規制しないのかという事になる」

 つまり、広告宣伝車を規制するのであれば、デコトラのような派手な装飾をした自動車はすべて規制しなければ、

「一貫性」がないというわけだ。

 それでは、広告宣伝車のみが今やり玉に挙げられているのはなぜか。その歴史と、現在行われている規制について説明しよう。

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