泥酔客を「鉄道に乗せない」時代到来か? 駅係員などへの暴力“飲酒がらみ”が7割超、止まぬ蛮行への最適解とは
原因の7割超は飲酒――。日本民営鉄道協会は5月23日、2022年に発生した駅員や乗務員に対する暴力行為の件数を発表した。根本解決には何をしたらいいのか。
各社の対応

このように事例の多くは、酔った加害者が暴力を
「突然振るった」
というものだ。痴漢や窃盗であれば制服の警備員の目立つような配置は抑止力になるだろう。しかし残念ながら、酒に飲まれて前後不覚になっている者には通用しない。
そこで、鉄道会社のなかには駅員自身が身を守るための対策を導入しているところもある。例えば東京メトロでは、女性駅員に防犯ブザーを常に持たせ
「対応は複数人で」
というマニュアルを作っている。
また、東急や京急、京王などいくつかの私鉄では、加害者につかまれた際、すぐ外れるよう、ネクタイをクリップで留めるワンタッチタイプにしている。
このほか、京急などでは警察官の指導で護身術の訓練を行っているところもある。このように、鉄道会社各社はそれぞれに酔客対策を実施している。しかし、いずれも根本的な解決にはなっていない。
では、飲酒が原因となる暴力を、根本的に解決する手段は何か。まず考えられるのは、一種単なる風景となっている啓発ポスターよりも一歩進んだ“警告”の導入である。
現在でも、駅や車内では迷惑行為に対するアナウンスが繰り返し行われている。駅構内や車内でたばこを吸ったり、スマートフォンで通話したりする人がいないのは、繰り返しアナウンスが行われてきた効果が大きい。車内でそれらの行為をする人は、
「モラルに欠けた社会常識のない人」
という意識が共有されるところまで持ち込めたからだ。ところが、飲酒に関しては、いまだにそうはなっていない。