テスラ「一人勝ち」は単なる“BEV盲信”ではない! 大規模リコール発生も、改めて知るべき製品パフォーマンスという基本情報

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先日、大規模リコールが発表されたものの、好調なテスラ。2022年の生産台数は世界で136万台超となった。これはマツダの同年の生産台数、約109万台を大幅に上回っている。

「地球の未来」に必要なBEV

サイバートラック(画像:テスラ)
サイバートラック(画像:テスラ)

 間もなく、テスラの次の一手「サイバートラック」も量産が始まるといわれている。

 防弾ガラスを備えた装甲車のような巨躯(きょく)は、軍用車をもほうふつさせる。価格も戦略的に抑えられており、一方で3秒以内に時速100Kmへ到達する加速など、ここでの対抗馬は大排気量のピックアップトラックだ。そのため、何より北米のセールス結果が鍵となるだろう。

 今後、サイバートラックが一定の成果を得れば、そのときはこの成果をより小型なモデルに転用するのだろうか、もしくは大型トラックの市場に参入するのだろうか。これは非常に興味ぶかい。もし後者なら、ハイブリッドを含めた大型ディーゼルエンジンのトラック業界へ、強い影響を与えるのは必須だ。

 BEV普及の速度は、テスラ以外の各社の動向も含めると、「地球の未来」にとって極めて重要である。もちろん完全なBEV化は急速に行えないという事情も理解できるが、気候変動の現状を見ると、猶予はない。

 コロナ禍で交通量が減ったことにより、短期間だが都内でも澄み切った青空を見られた。いったん必要となれば、バッテリーの発火リスクやトータルでの環境性能は、今まで以上のスピードで改善が進むだろう。

 テスラのセールスの結果は、

「単なるBEV肯定」

だけではない。実際に触れること、乗ることでわかる製品そのもののパフォーマンスの高さと自動車開発に対する情熱、さらには地球環境への冷静な認識を持つユーザーによって、その好調が支えられているのである。

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