航空界の覇権争い勃発! 「V-280 vs SB-1」 新時代を担う次世代ヘリコプターの戦い、性能をご存じか

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2022年の年末、米陸軍のUH-60汎用ヘリコプター後継機として、ティルト・ローター機であるベル・テキストロンV-280バローが選定された。その背景にはいったい何があるのか。

見通しが難しい将来の回転翼機計画

テキストロンV-280バロー(画像:ベル)
テキストロンV-280バロー(画像:ベル)

 V-280の実用化は2030年が計画されており、将来は極東の最前線である在日米軍基地にも配備が予想される。しかし、米陸軍と海兵隊が使用するUH-60シリーズのすべてが、そのままV-280に置き換わってしまうことはない。

 V-22やV-280のようなティルト・ローター機は、ヘリコプターに比べればコストの高騰は避けられず、従来型ヘリコプターで対応できる任務にまで、こうした高コスト機を充当することは非現実的だ。ティルト・ローター形式が、すべての用途において最適解とは限らないのだ。

 米陸軍では、統合多用途・将来型垂直離着陸機計画(Joint Multi-Role/Future Vertical Lift:JMR / FVL)として、本機を含む新機種で現用ヘリコプターを置き換える展望を持っているが、その全容はいまだ明確な姿を現していない。今後は偵察・戦闘ヘリコプターの後継機選定も控えているが、こちらもティルト・ローター形式が採用されるとは限らない。ロシア・ウクライナ戦争からも教訓を得ながら、さまざまな観点で検討が進められるだろう。

 軍用機に求められる能力は、戦闘の相手や環境によっても変化する。米軍の作戦環境には、中国という新たな敵対者の台頭で、過去にない大きな変化が生じている。ヘリコプターだけでなく、戦闘機などの固定翼機にも新しい時代への対応が求められており、米軍用機には不連続的な変化が求められているのが現状だ。

 ベストセラー機UH-60の後継が決定したとはいえ、米軍用ヘリコプターの将来像が見通せるようになるには、まだまだ時間がかかりそうである。

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