コロナ後の空港を襲う「地上業務員」の圧倒的不足! 最優先「待遇改善」も、具体性乏しく右往左往の現実とは

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グランドハンドリングスタッフや保安検査員など、空港業務におけるマンパワー不足が深刻化している。このままでは「航空機の遅延」が慢性化する恐れがある。

急速に回復する旅客需要

空港の手荷物検査場イメージ(画像:写真AC)
空港の手荷物検査場イメージ(画像:写真AC)

 コロナ禍は本年度に入ってようやく収束し、多くの人たちが制約なく旅行や出張ができるようになった。海外からの旅行者も急速に増えてきている。

 それにともない、グランドハンドリング(空港地上支援業務)スタッフや保安検査員など、空港業務におけるマンパワー不足が深刻化している。急回復している旅客需要に対応できなくなっており、このままでは

「航空機の遅延」

が慢性化し、場合によっては欠航せざる得なくなるかもしれない。また、テロの脅威も高まる。

 2023年、航空会社のゴールデンウィークの運送実績は2018年対比で、国内線で

・JAL:101.5%
・ANA:84.9%(ピーチを合わせれば94.1%)

と、コロナ前の水準までほぼ回復した。国際線はまだコロナ前には遠く及ばないものの、対前年比で

・JAL:約2.3倍
・ANA:約2.8倍

と急伸している。その一方で、多くの空港労働者が職場を去っている

コロナ前から続く労働環境問題

空港(画像:写真AC)
空港(画像:写真AC)

 コロナ前から、

・厳しい労働環境
・労働環境に見合う待遇

について問題が指摘されていた。

 保安業務は、検査権限が明確に法律で規定されるなどの進展はあったものの、それでも根本的な待遇改善までには至っていない。そのため、人をすぐに増やそうとしても、募集が満たせない状況になっているのだ。

 こうした事態を国も重く見て、2023年年明けから有識者会議を開催し、当面の対策について、検討を重ねている。そこでは、

・航空会社がグランドハンドリング事業者に支払う受託料の引き上げる
・地方自治体からの補助金を促して従業員の処遇改善を図る
・航空会社系列で異なっていた従業員資格を共通化して人材確保を容易にする

といった提言が行われている。

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