通学路にクルマはいらない? パリの180か所が「歩行者専用」化で親子安心、日本の一歩先を行く政策とは【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(11)

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世界で大きなムーブメントを起こしている「クルマのない通学路」とは何か。パリの取り組みを紹介する。

全国交通安全運動を契機に

街区の道路形状はそのままに柵で通過交通の侵入を防いでいるスクールストリートの例(画像:牧村和彦)
街区の道路形状はそのままに柵で通過交通の侵入を防いでいるスクールストリートの例(画像:牧村和彦)

 一方で地域よってその運用はまちまちであり、

・ゾーン30の境界
・スクールゾーンの境界
・学校の出入り口

の存在などが、交通事故の当事者となるドライバーに十分認知されているかといえば、いささか怪しいといわざるを得ない。

 また、学校前や学校周辺の歩行者とクルマの優先順位も50年間曖昧なままだ。パリで始まった、学校前は歩行者優先という基本理念を、5月から始まる全国交通安全運動を契機にわが国も見習うときではないだろうか。

※なお、本稿は「人と多様なモビリティが共生する安全で心ときめくまちづくり」調査の一環として筆者がフランス調査に同行した成果の一部であり、運輸総合研究所の三重野真代客員研究員、矢内直子研究員による研究成果でもある。

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