原材料高騰も ブリヂストンが「4兆円企業」に成長した決定的理由

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初の売り上げ4兆円超えをはたしたブリヂストン。その背景には何があるのか。

ブリヂストンvsミシュラン

ブリヂストンの企業ロゴ(画像:ブリヂストン)
ブリヂストンの企業ロゴ(画像:ブリヂストン)

 日本のブリヂストンとフランスのミシュランが世界のタイヤメーカーで首位を争っている。毎年秋には米タイヤビジネス誌が発表を行い、この結果が正式なものとされているようだ。同誌を引用したブリヂストンの公式発表では、直近では2008年から2018年までブリヂストンが1位、2019年から2021年まではミシュランが1位であるとされている。

 2社の熾烈(しれつ)な争いは、F1の供給タイヤが1999年からブリヂストン1社だったのに対して、ミシュランが対抗して2001年から参戦したことに象徴される。F1供給タイヤをきっかけとして、BMWなど欧州のプレミアムカーに対し、次々と標準装着されたブリヂストン製品。それに対して脅威を感じたミシュランが、同じくF1という最高峰の自動車レースの世界で“宣戦布告“したという理解が正しい。

 結果として、ミシュランは2005年、2006年とワールドチャンピオンチームをサポートしたが、そこで同社は撤退した。その後、2008年のリーマンショックの影響もあり、ホンダ、トヨタがF1を撤退するなか、ブリヂストンは再びワンメークとなってタイヤの供給を2010年まで継続した。

 また、2023年2月に発表された決算報告ではブリヂストンの連結決算は2022年、売り上げで初めて4兆円を超えた。多くの製造業がコロナ禍と原材料費の高騰で販売、利益ともに苦しむなか、プレミアム戦略が功を奏し、通年の調整後営業利益(継続事業ベース)も前期比22%増の4826億円に達した。

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