原材料高騰も ブリヂストンが「4兆円企業」に成長した決定的理由
初の売り上げ4兆円超えをはたしたブリヂストン。その背景には何があるのか。
サステナブルからサバイバルへ

コロナ禍でいったんは大きく落ち込んだモビリティ産業は、今や大きく回復しつつある。しかしEVとデジタルトランスフォーメーションへの大きな変化のなかで、タイヤメーカーも新たな技術革新とサプライチェーンの改革を今までにない速度で果たさなければ、世界に取り残されるのは必須だ。
2022年、ある公開動画のなかで石橋氏は
「未来からの信任を受けて経営をしていく」
と、発言している。
そこには単なるサステナブルを超え、生き残りをかけた“サバイバル”という強い危機感も感じられる。地方に配属された新入社員時代に、運送会社のタイヤの状況を毎日報告し、「爪も手もカラダ中も、真っ黒になった」というCEOの言葉には重みがある。
日本の製造業でプレミアムブランドとして世界の首位を争い続けるブリヂストン。過去最高の売り上げを達成し、その成長を支えてきた数々の多くの挑戦の歴史、そして新たな改革への覚悟に、日本の製造業、グローバル経営の未来へのヒントがあるかもしれない。