なぜ日本のトラックには「更生タイヤ」が普及しないのか? 低い環境負荷&米国の普及率50%、背景にあったのは国内メーカーへの信頼感だった

キーワード :
,
タイヤは消耗品であるため、企業は出費を抑えたい場合、リトレッドタイヤを使うことがある。リトレッドタイヤとは何か。そして、どのような魅力があるのか。

信頼ある国内タイヤメーカー

トラックのタイヤのイメージ(画像:写真AC)
トラックのタイヤのイメージ(画像:写真AC)

 2021年度におけるタイヤ販売の売上高の世界的シェアで見ると、1位はミシュラン(フランス)で19.5%、2位はブリヂストン(日本)で18.6%と僅差になっている。そして、グッドイヤー(米国)が12.7%、コンチネンタル(ドイツ)が9.6%で続く。

 次に国内のトラック・バス用タイヤの販売数を見てみよう。1位はブリヂストン、2位は住友ゴム工業(ダンロップ)で、続いて横浜ゴム、トーヨータイヤとなっている。新車装着用タイヤの装着率や販売店の多さゆえ、国内シェアでは国産ブランドタイヤが圧倒しており、海外製品はあまり目にしない。

 国内ブランドは、日本の気候や道路状況に適した製品を長年作っている。トラック・バスの走行性能などを高められる技術を持っているため、信頼性が高い。

 コロナ禍の影響で、2019年から2020年にかけてタイヤの国内販売数は落ち込んだが、2021年からは緩やかに回復傾向にある。これらの数字は新車販売台数の数に比例するので、乗用車に比べてトラック、バス用タイヤの落ち込み方も回復も緩やかである。

 タイヤは消耗品であるため、企業は出費を抑えたい場合

・中古タイヤ
・リトレッドタイヤ

などを使うことがある。リトレッドタイヤとは、走行により摩耗したトレッドを新しく張り替えて再使用するタイヤで、更生タイヤとも呼ばれる。トレッドとは、タイヤが路面と接触する部分のゴム層の面を指す。

全てのコメントを見る