原材料高騰も ブリヂストンが「4兆円企業」に成長した決定的理由

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初の売り上げ4兆円超えをはたしたブリヂストン。その背景には何があるのか。

石橋CEOの歩んだ道のり

石橋秀一取締役代表執行役Global CEO(画像:ブリヂストン)
石橋秀一取締役代表執行役Global CEO(画像:ブリヂストン)

 その最も代表的なのは、現在の最高経営責任者(CEO)石橋秀一氏である(創業者である石橋家とは関係なし)。石橋氏は入社以来、会社への愛情とマーケティングセンスは当初より注目されていた。

 例えば1988(昭和63)年、ブリヂストンがグローバルブランドに飛躍するきっかけとなった米ファイアストン社との企業の合併・買収(M&A)に関しても、経営企画室でまだ若手だった石橋秀一氏を中心としたメンバーに対して、当時の家入昭(いえいりあきら)社長が命じたものだとされている。そのため、M&A成立直後に同氏はすぐにファイアストンに送り込まれている。

 その後10年近くをかけて、ファイアストンはある程度の業績の立て直しを実現した。その矢先に、100年にわたる取引先、「自動車王」を創業者とするフォード社との訴訟、取引停止である。日本から派遣され、現地のさまざまなあつれきのなかで長年、陣頭指揮をしていた石橋氏の胸中たるや、筆舌に尽くしがたいものであったろう。

 しかし、この時の体験こそがまさに現在の石橋CEOが打ち出す改革の原動力のひとつになっているのではと、その後の幾つかのインタビューから読み取れるのである。

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