「オスプレイ」は本当に安全なのか? 賛否ありきの主張を排し“技術目線”で解説する
「ヘリコプター」として見た場合

まず、オスプレイをヘリコプターとして見た場合、左右にふたつのローター(回転翼)を持つという形態の特異性と、機体重量に対してローターが非常に小さいことが大きな特徴である。
ローター回転面の面積は、飛行機で言えば翼の面積に相当し、機体の重量をローター回転面の面積で割った値(円盤荷重)は、ヘリコプターの特性を決定づける最も重要な要素のひとつである。
機体が大型化するほど円盤荷重は大きくなりがちだが、オスプレイはヘリコプターとしては非常に大型で、約24tの最大離陸重量は、陸自最大のヘリコプターであるCH-47の約23tさえ上回る。
単純計算で比較すると、オスプレイの円盤荷重はCH-47の3倍近くとなり、通常のヘリコプターでは考えられないほど高い値である。この円盤荷重の異常な大きさは、オートローテーションを事実上不可能にしている理由でもある。
運用に潜む大きな問題

しかし、オスプレイは飛行機モードで巡航飛行し、ヘリコプター・モードは離着陸時などのホバリングに限った形態だ。
そのため、両エンジンが停止するような事態に対して、オスプレイはオートローテーションに頼ることを想定していない。後述するが、飛行機モードで巡航中に推力を失った場合は、飛行機のように滑空することで対処するし、それしか方法はない。
また、円盤荷重が大きいことは、
「ローターからの吹き下ろし(ダウンウォッシュ)」
が強くなるという問題も発生させる。
ホバリングする機体を持ち上げる力は、ローターが単位時間あたりに押し下げる空気の量によるから、機体重量に対してローター直径が小さければ、空気の流速が速くなるのは当然である。
更に、エンジンのナセル(覆い)が離着陸時に上を向いていることから、高温なエンジン排気が地面に強く吹き付けられ、
・草地:火災の発生
・飛行場:舗装の損傷
という問題を起こしている。もっとも、これらは飛行安全性ではなく、運用の制限や支援に関わる問題である。