陸自ヘリ墜落で存在感 いま「潜水艦救難艦」が注目されるワケ その特殊任務とは?
宮古島近海で起きた陸自ヘリ墜落で、潜水艦救難艦ASR-403「ちはや」が投入された。いったいなぜなのか。
「潜水艦救難艦」とは何か
4月6日に宮古島近海で起きた陸上自衛隊のヘリコプター墜落事故は、今も捜索が続けられている。
【無料セミナー】「自動車DXサミット vol.3」 三菱ふそう KTC マツダ登壇 Amazonギフトカードプレゼント〈PR〉
その様子は連日報道されているが、捜索に従事している艦艇のなかに海上自衛隊の潜水艦救難艦ASR-403「ちはや」がいることに気付いた人も多いと思う。
潜水艦救難艦とはその名の通り遭難した潜水艦を捜索し乗員を救助、必要とあらば現場で医療処置を行うのが任務である。一方、今回遭難したのは潜水艦ではなくヘリコプターだ。
今回の捜索にちはやが投入されたのはどんなことが理由だったのか? ちはやが装備している機材を含めて解説したい。
ちはやに装備された「深海救難艇」とは
ちはやは2000(平成12)年3月に就役した。続く拡大型であるASR-404「ちよだ」とともに海上自衛隊の潜水艦救難の中核をなす存在である。
ちはやに装備されている潜水艦救難用機器のなかで中心となるのは、小型の乗員救助用潜水艇のDSRVだ。
DSRVは「Deep Submergence Rescue Vehicle」の頭文字を取ったもの。日本語では
「深海救難艇」
と表記される。この機材は遭難した潜水艦の救助用ハッチに救難艇を直接連結し、ハッチから乗員を救難艇内に収容する方法で救助作業を行う。
同様の救難艇としては、米国海軍のDSRV-1ミスティークとDSRV-2アヴァロンという2艇が知られている。その特殊性ゆえにメディアで取り上げられることも多く、過去には
・原子力潜水艦浮上せず
・レッドオクトーバーを追え
・ハンターキラー潜航せよ
といった映画でも取り上げられた。