陸自ヘリ墜落で存在感 いま「潜水艦救難艦」が注目されるワケ その特殊任務とは?

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宮古島近海で起きた陸自ヘリ墜落で、潜水艦救難艦ASR-403「ちはや」が投入された。いったいなぜなのか。

救難艦とともに運用されるわけ

『レッドオクトーバーを追え』(画像:パラマウント)
『レッドオクトーバーを追え』(画像:パラマウント)

 これら米国海軍のDSRVだが、以前は専用の潜水艦救難母艦とともに運用されていたのだが、現在の運用法はというと、長距離移動は空輸だ。

 事故現場への輸送は、着陸地近くの港から専用の輸送設備を装備した攻撃型原子力潜水艦で行う様になっている。これは米国海軍の潜水艦はいずれも行動範囲が広く、しかも全世界の海域に渡っているためである。

 対して、海上自衛隊の潜水艦が行動するのは日本の近海のみだ。領海内であれば遠洋に進出することもなきにしもあらずだが、空輸までは必要としていない。それを前提に母艦である潜水艦救難艦とともの運用となっているわけである。さらに日本の潜水艦救難艦には

「別の機器を使った任務」

もある。そしてそれこそが今回の事故に投入された理由なのだ。

「艦上減圧室」とは何か

ちはや(画像:海上自衛隊)
ちはや(画像:海上自衛隊)

 ちはやに装備されているもうひとつの重要機材、それはDDC(Deck Decompression Chamber)と呼ばれている艦上減圧室である。これは海中から救助した潜水艦搭乗員に減圧症の危険がある場合、艦上でその治療を行うための設備だ。

 どういうことかというと、浸水等の理由で艦内圧力が高まった遭難潜水艦のなかで要救助搭乗員が長時間空気呼吸していたとする。そうした環境では空気中の窒素等のガスは圧力の影響で自然と細胞その他の生体組織中に少しずつ溶け込んでいく。

 こうしたガスは、救助された後に周辺環境の圧力が下がると一転して微細な気泡となり塞栓(そくせん。血管やリンパ管の内部で、血栓や外から流入した異物が血液やリンパ液によって運ばれ、脈管の細い部分をふさぐこと)を起こす危険が生じる。これが減圧症である。

 減圧症を防ぐためには、加減圧が可能な艦上減圧室に救助した搭乗員を一定期間留め置くという措置が必要とされる。すなわち加圧状態から時間を掛けて周辺環境の圧力を少しずつ下げ、ガスが自然排出されるのを助けるのが減圧室の役目だ。

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