意外と知らない? スズキがインドで「4割強」のシェアを独占している地道すぎる理由
スズキの車がインドで圧倒的シェアを誇っているのをご存じだろうか。1980年代インド政府が「国民車構想」を打ち出した際、インドの市場に日本からスズキが参入することになったのがその始まりだ。
鈴木社長「市場シェア50%目指す」

ニーズに沿った戦略で、これまでインドで圧倒的なシェアを誇っていたスズキ。しかしEV化の波に乗れず、すでにEVを販売していた他メーカーの追随を受ける苦しい状況となってしまった。
中国メーカーの参入もあり、インドにおける競争はさらに激化していくだろう。そこでスズキがシェアを取り戻すためには、インドで元々人気の高いスポーツタイプ多目的車(SUV)の充実化、そして急ピッチでのEVへのシフトが求められる。
スズキは今後、電動化関連の研究開発や設備投資などに2兆円を投資する計画で、インドにはEV6車種を投入する計画を加速させている。
またトヨタと共同開発するEV専用の小型車台(プラットホーム)を使い、新しい市場を開拓をしていく予定だ。さらにスズキは低価格のEV投入にも乗り気で、購入補助金などを差し引き、実質100万円台のEV販売を目指している。
ちなみにスズキは北米や中国市場における四輪車事業からすでに撤退しており、それだけインドに経営資源を集中するという戦略をとっているのだ。
鈴木俊宏社長も2023年1月の記者会見で
「今まで以上にインドの社会や顧客の期待に応え、(乗用車で)市場シェア50%を目指す」
と強調しており、EV分野での巻き返しを図っている。スズキがこれまで積み上げてきたインドでの成功例をもとに、EVでも発揮していくことを期待したい。