軽自動車のボディーはなぜ「四角」ばかりなのか? 意外と知らない謎に迫る

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軽自動車は全長全幅ともに規定いっぱいのサイズを使い、さらに全高を高めたいわゆる「トールワゴン」が人気を集めている。なぜそのようになってきたかを解説する。

「ワゴンR」が始まり

初代ワゴンR(画像:スズキ)
初代ワゴンR(画像:スズキ)

 現在、軽自動車は全長全幅ともに規定いっぱいのサイズを使い、さらに全高を高めたいわゆる「トールワゴン」が人気を集めている。こうした流れは約30年前の1993(平成5)年にスズキ・ワゴンRが登場したことに端を発しているのだが、当時はバブル経済の名残があり、軽自動車は市場からの要請に応えるかのように、実に多彩なモデルが各メーカーからリリースされていた。

 具体的にはローコストを最大のセールスポイントとしていた商用ボンネットバンを筆頭に、基本設計を共用していたハッチバックセダン、ボンネットバンベースのハイパフォーマンスモデル、専用設計のミニマムサイズのスポーツカー、キャブオーバートラック、キャブオーバーバンなど、ラインアップ的には、オーソドックスなモデルから後にコレクターズアイテムとなるレアモデルまで、その選択肢は豊富だった。

 なお、バブル経済絶頂期だった1990年1月から、軽自動車は従来の全幅1400mm以下を継承しつつ、全長がそれまでの3200mmから3300mmへと100mm長くなり、エンジンの最大排気量も550ccから660ccへと規定が拡大されたことで新型車への期待が高まり、その結果としての多彩なラインアップの投入だったわけである。とはいえ、ラインアップの中核たる商用ボンネットバンと派生型のハッチバックセダンのデザインに新たなチャレンジはほとんど見られず、やや閉塞(へいそく)感があったことは否めない。

 そうした中、ボンネットバンともキャブオーバーバンとも異なる、短いボンネットを備えた全高の高いボディーとともに登場したワゴンRは、全高を高めたことで得ることができた広い車室に加え、キャブオーバーバンとも異なる生き生きとした新たなキャラクターとともに一躍人気モデルとなった。程なく、ライバル各社からもいわゆるトールボディーのモデルがリリースされ、数年後には市場を席巻することとなったのはご存じの通りである。

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