過去最大7億2000万円の赤字! 「土佐くろしお鉄道」大ピンチ、ドル箱「通学利用」頼れず 人口減少も全国より10年速い現実
高知県の第三セクター・土佐くろしお鉄道が2022年度、過去最高の赤字見通しとなった。沿線は全国有数の人口減少地域。行政の支援は続くが、鉄路の前途に不安がよぎる。
コロナ禍で過去最高の赤字へ

高知県の第三セクター・土佐くろしお鉄道が2022年度、過去最高の赤字見通しとなった。沿線は全国有数の人口減少地域。行政の支援は続くが、鉄路の前途に不安がよぎる。
高知県南国市の後免駅に着いた列車の乗客は3人だけ。高知市へ遊びに行く香南市の女子高生(16歳)は隣のホームで待機するJR四国の列車へ。眼科医院に通う南国市の主婦(68)は駅を出て歩き出す。高知県と沿線市町村が出資する第三セクター・土佐くろしお鉄道のごめん・なはり線(阿佐西線)は土曜日の午後、閑散としていた。
南国市の主婦は
「普段は車で移動しているが、今日は眼底検査があるから列車を使った。免許返納が近づく年齢になってきたことを考えれば、鉄道があるのは心強い」
と語った。
ごめん・なはり線は後免(ごめん)駅から
・香南市
・芸西村
・安芸市
・安田町
・田野町
を通って奈半利(なはり)町の奈半利駅まで42.7kmを結ぶ。
高知県東部の住民にとって大切な生活の足だが、経営する土佐くろしお鉄道は2022年度、コロナ禍で
「7億2000万円余り」
の経常損失が出る見通し。赤字額は前年度を約3000万円上回り、過去最大となりそうだ。