隅田川「屋形船」を電動化してはどうか? カギは「風情」「環境対応」、欧州トレンドの日本流解釈を【連載】和田憲一郎のモビリティ千思万考(12)

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欧州にて移動体の電動化が進んでいる。特に普及促進が著しいのが船舶だ。その背景にあるのは何か。

アムステルダムにて電動の観光船が普及

屋形船(画像:写真AC)
屋形船(画像:写真AC)

 欧州にて移動体の電動化、つまり、完全にまたは部分的に電気を動力とした移動体を示す「e-Mobility化」が進んでいる。

 これは自動車のみならず、船舶、建設機械、農業機械などにも広がっている。特に普及促進が著しいのが

「船舶の電動化」

である。今回は欧州での船舶の電動化について紹介するとともに、日本での導入案として、隅田川を運航する屋形船についてその電動化を提案したい。

 例えばオランダのアムステルダムでは、グリーンパーティー市長が2025年までにアムステルダムの古い運河からディーゼルエンジンを追放し、気候変動と闘うとして厳しい規制を実施したことに端を発する。

 これを受けて、市は運河を通航する観光船をゼロエミッション化するよう推進している。水の都アムステルダムは、観光船が最も人気のある移動手段であり、およそ1日最大14時間使用され、観光船320隻が年間約400万人の乗客を乗せてアムステルダムの水上を走っているようだ。

 市長の規制方針を受けて、水上を航行する商業船(観光船を含む)は550隻の船舶うち、75%が既にゼロエミッションである電動船に置き換わっている。さらなる促進をするために、2024年以降は観光船の新規許可証を出す条件として電動船であることを定めている。

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