隅田川「屋形船」を電動化してはどうか? カギは「風情」「環境対応」、欧州トレンドの日本流解釈を【連載】和田憲一郎のモビリティ千思万考(12)

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欧州にて移動体の電動化が進んでいる。特に普及促進が著しいのが船舶だ。その背景にあるのは何か。

政策パッケージが促進を後押し

産業のイメージ(画像:写真AC)
産業のイメージ(画像:写真AC)

 なぜここまで電動船にこだわるのかといえば、自動車のみならず、船舶でも以前から電動化への機運はあった。

 さかのぼれば2018年、国際海運を規制する国連の機関である国際海事機関(IMO)は、今世紀中のできる限り早い時期に、国際海運からの温室効果ガス(GHG)ゼロ排出を目指す「GHG削減初期戦略」を採択した。

 さらに促進のきっかけとなったのは、欧州委員会が2021年7月に提案した政策パッケージ「Fit for 55 package」だろう。これは2030年の温室効果ガス削減目標を、1990年比で少なくとも55%削減することを目標に掲げたため、提案の名前に55という数字がついている。

 なお、「Fit for 55 package」では、2035年に乗用車の内燃機関車の新車販売を禁止する提案が有名だが、packageと示される如く、多くの法案にて形成され、そのなかに船舶に関する「グリーンな欧州海運領域イニシアチブ」がある。

 この船舶に関する法案で、船舶の二酸化炭素の排出削減量が提案されている。現在は欧州議会による各種調整により、基準年を2020年とし、同規則にて定められた方法論とデフォルト値を用いた計測方法にて、

・2035年1月1日から:-25%
・2040年1月1日から:-38%
・2045年1月1日から:-64%
・2050年1月1日から:-80%

と規定されている。

 いずれにしてもこのような規制が提案されたことで、オランダのみならず、他の地域においても船舶への電動化に拍車がかかっている。

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