第2次大戦「軍用機」知られざる販売事情 買ったはいいが保険は、メンテは、操縦ライセンスはどうなるのか?
欧米において、第2次世界大戦以前に設計され生産された航空機は一般にウォーバード(WAR BIRD)と呼ばれている。こうした機体は博物館の収蔵機に加えて個人所有機も多い。
第2次大戦以前の航空機

欧米において、第2次世界大戦以前に設計され生産された航空機は一般にウォーバード(WAR BIRD)と呼ばれている。こうした機体は博物館の収蔵機に加えて個人所有機も多く、その現存機の数はというと数年前の状況でおおむね2000機ほどだ。
資料によればそれらの7割前後が民間機登録番号を持っている。個人所有で民間登録済み。すなわち自家用機である。ここでわかることは、こうした機体は過去に
「商品として販売されていた」
という事実だ。
気になるのはその価格だが、現時点で欧米の航空機売買ウェブサイトなどを見ると何機かの売り出されているウォーバードを発見できる。
価格は千差万別だが、過去から現在まで最も多く流通したノースアメリカンP51Dマスタングの即飛行可能なもので300万ドルほど。20年ほど前には100万ドル以下のも珍しくなかったのだが、昨今は値上がりが著しい。他の機体もおおむね100万ドル以上もしくは応談という提示がなされている場合が多い。
資金さえあれば購入できることはわかった。しかし第2次世界大戦時の軍用機を民間自家用機として維持する。そんなことが可能なのか。
「操縦ライセンスは?」
「メンテナンスは?」
「保険は?」
そんな素朴な疑問に対する答えがこれである。
ウォーバードを操縦するためには、まずそのための飛行許可証(パーミット)が必要となる。一般に自家用機の操縦に必要なライセンスは、レシプロ単発自家用を基本にレシプロ双発以上自家用、それぞれの事業用、さらに計器飛行、フロート付きなど細分化されている。
そのなかでウォーバードに相当する機体とは、第2次世界大戦前後に基本設計がなされたエンジン出力1000hp以上、最高速度300ノット毎時以上の機体もしくはそれに準じるものとされている。