第2次大戦「軍用機」知られざる販売事情 買ったはいいが保険は、メンテは、操縦ライセンスはどうなるのか?

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欧米において、第2次世界大戦以前に設計され生産された航空機は一般にウォーバード(WAR BIRD)と呼ばれている。こうした機体は博物館の収蔵機に加えて個人所有機も多い。

登録費用は「数十ドル」

ノースアメリカンP51Bマスタング。P51Dのひとつ前の型であり現存機数は少ない。売り物が出てもおそらく300万ドル以上はするだろう(画像:守山進)
ノースアメリカンP51Bマスタング。P51Dのひとつ前の型であり現存機数は少ない。売り物が出てもおそらく300万ドル以上はするだろう(画像:守山進)

 ウォーバード・パーミットを取得するには、まずどのようなカテゴリーのライセンスで最低500時間以上の飛行時間が必要と規定されている。また、ジェット機のように機体ごとに規定されており、それぞれの機体で訓練を受け試験に合格するとパーミットが発行される。

 気になるのは複式操縦装置を持つ機体ならともかく、そうでない単発戦闘機などはどうやって訓練するのか、という素朴な疑問だが、ウォーバード・パーミットは3機種分を取得すれば、後はどんな機体でも操縦できるという特例があることが理由だ。

 お次は機体の登録である。ここでは米国での登録に話を限定したい。民間登録番号、すなわち米国の場合は「NXXXX」というナンバーを取得するために必要な費用は、州によって多少の違いはあるものの

「数十ドル」

というレベルである。

 ウォーバードの場合、登録されるカテゴリーは「エクスペリメンタル」となる場合がほとんど。このカテゴリーは、もともとユーザーが自身で設計したホームビルド機や安価なキット機のために設けられたものであり、純正部品以外でも使用が可能である。ここにウォーバードを含めた理由は、すでに純正部品の確保が難しいウォーバードの特性を考慮したものといっていいだろう。

 さて、その次は保険である。保険の種類はクルマの任意保険によく似ており、対人賠償や対物賠償、墜落して機体が失われた場合にはその価格分を補填してくれる車両保険に相当する機体保険もある。

 1年間の保険料はフルカバーでその機体価格のおよそ2%、すなわち100万ドルの機体であれば2万ドル程度。パイロットの経験が長いと多少は安くなるが、日本の自動車保険のように、無事故であれば翌年の保険料が安くなるといった規定はない。