観光業界で「乗り物」が活用されない根本理由 もしや、ターゲットも「作法」も知らないのか?
コロナ禍明けの観光に期待が高まっているが、観光客のニーズを知る観光業界と、観光に欠かせない移動に強いモビリティ業界は、まだまだ遠い関係にある。なぜ、そのような事態に陥るのか、理由を挙げていく。
アクセスと周遊の「足」確保に苦労

コロナ禍明けの観光に期待が高まっているが、観光客のニーズを知る観光業界と、観光に欠かせない移動に強いモビリティ業界は、まだまだ遠い関係にある。
例えば、青森県の十和田八幡平国立公園内に位置し、高地のカルデラ湖と14kmの距離に14本の滝を望むことができる十和田湖・奥入瀬渓流の地域は、七戸十和田駅などの主要駅や新青森空港などの主要空港からのアクセスと、観光地内の周遊の「足」の確保に悩んでいる。このような悩みを多くの観光地が抱える。
なぜ、そのような事態に陥るのか。筆者(楠田悦子、モビリティジャーナリスト)が考える理由を挙げていく。