公道「テストカー」のボディ柄は、なぜあんなに気持ち悪いのか? その裏にあった一歩先行く企業戦略とは
テストカーによる公道走行とは何が目的なのか。
「集合体恐怖症」の人にはキツい?

クルマの開発においては、主として開発の末期、すなわち発売直前というタイミングで一般公道でのテスト走行を実施する例が少なくない。
テストカーによる公道走行とは何が目的なのか――。もちろんメーカーはその多くが自社のテストコース内に公道を模した路面やシチュエーションを完備したコースを設けているのだが、それだけではわからないことも多々ある。結果として最終確認を行うために公道に出てくるのだ。
そしてその際には、発売前の新型車であるがゆえに
・ボディの形状やプレスライン(圧力によりできた凹凸のライン)の位置
・ウインドーの形状およびサイズ
・ライト類の形状や配置
などをわかりにくくするために、一種の偽装をボディに対して行う場合がほとんどである。
興味深いことに、過去の偽装とは必要に応じて元々のボディに別の造作物を付加し形を変えた上で布やビニールのカバーで覆うといった方法が主流だったのだが、ここ数年でボディにカッティングシートによるある種のラッピングを行う例が見られる様になった。
そのラッピングとは渦巻きの様な円形模様や複数の直線を組み合わせたモザイク状の幾何学模様などを規則的に多数、場合によってはあえて不規則に並べた様なデザインが多く、正直、視覚的印象はかなり気持ちが悪い。いわゆる「集合体恐怖症」の人などは思わず目を背けてしまうレベルである。これらは一体どういう効果があるのだろうか。