「高速道路、いつかは無料」 かなわぬ夢を国が今でも言い続けるワケ

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「高速道路は、いつかは無料になる」。そんな漠然とした希望はついえた。なぜ、国はかなわぬ夢を提示したまま、今に至ってしまったのか。

「永久に有料」明言しては?

阪神高速道路(画像:写真AC)
阪神高速道路(画像:写真AC)

 さらに、もうひとつ問題があった。もしも、高速道路を永久に有料とすれば、課税資産となることである。高速道路は「公共の用に供する道路」なので非課税となっていた。しかし、この委員会の案に対して総務省は、その用件から外れるため、設立される保有機構に課税することを指摘した。

 加えて国民からも反対の声が強かった。当時委員会では、永久有料とした上で、民営化後は各会社の経営努力で、料金を今よりも値下げできるとみていた。ところが、当時主流だったのは「無料にすれば、交通量が増えて景気も回復する」という見方であった。

 結局、民営化に抵抗する「道路族」議員との綱引きなど、さまざまな議論が続いた中で、委員会が打ち出した「永久有料化」も色あせ、「償還主義」は維持されることになった。

 こうしてみると、民営化時点では既に、高速道路がいつかは無料になることはあり得ないという見方が出ていたことは明らかだ。ところがその後も、実現可能性がないにもかかわらず、将来の無料化を提示したまま、ここまで来てしまった。

 実際、道路が利用されている限り、永遠に修繕も続くことを考えれば、2115年になっても無料開放は困難だろう。仮に無料化して国や自治体に引き渡された場合、修繕費用を税金で賄うことになり、高速道路を利用していない人々から、「なぜ、一部の人しか利用しない道路に多額の予算をつぎ込むのか」と批判が起きることは容易に想定できる。

 もし「無料にするので引き取ってくれ」となっても、おいそれと引き継ぐ自治体はないだろう。むしろ永久有料にして固定資産税を徴収する方を自治体は望むはずだ。今求められるのは、永久有料でもいいから、料金を値下げして利用者を増やすことだと思うのだが。

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