海外駐在員に迫る過激派テロの影 「欧米関連施設には近づくな」 日本企業は今こそ危機管理教育を徹底すべきだ
海外に展開するモビリティ企業は、駐在員や出張者の安全をどう確保していくべきなのか。今日の世界的なテロ情勢を見ていく。
日本人も犠牲の歴史
2023年は海外に展開するモビリティ企業にとってどんな1年になるのだろうか。ここでは企業にとってのヒトの安全、すなわち駐在員や出張者の安全という視点から、今日の世界的なテロ情勢を見ていきたい。
まず、世界的なテロ情勢である。2001(平成13)年の9.11米国同時多発テロをひとつの分岐点とし、それ以降、アフガニスタン戦争やイラク戦争、イスラム国の台頭などを通じ、イスラム過激派によるテロの脅威が世界を震撼(しんかん)させた。
9.11テロでも24人の日本人が犠牲となったが、2002年10月のインドネシア・バリ島爆破テロ、2008年11月のインド・ムンバイ同時多発テロ、2013年1月のアルジェリア・イナメナス人質テロ、2016年7月のバングラデシュ・ダッカレストラン人質テロ、2019年4月スリランカ同時多発テロのように、世界各地で日本人が犠牲となるテロ事件が断続的に発生している。