日立が「中国離れ」検討へ 台湾リスクで低価格時代は終焉を迎えるか
日立製作所が、中国や台湾をめぐる状況に懸念を示し、サプライチェーンの拠点を移すことを検討していると表明した。地政学リスクという観点から、サプライチェーンのあり方が変化しつつある。
サプライチェーン、低価格から安定性重視へ

日立製作所の河村芳彦副社長は2022年10月28日(金)の会見で、中国や台湾などをめぐる地政学リスクについて懸念を示し、サプライチェーンの拠点を国内や同盟国へ移すことを検討しているとした。
河村氏は、価格重視のサプライチェーンは潮目が変わり、今後は安定性や継続性を重視し、中国との経済関係が深まる東南アジア諸国連合(ASEAN)だけでなく、中国との関係が薄い国々を含め計画を作っていると明らかにした。
キヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長も最近、同様の見解を示した。
御手洗氏は同年10月26日(水)、海外の生産拠点で地政学的なリスクが高まっていると指摘、工場の展開など時代に見合った体制に見直すべきとして主要な工場を日本に回帰させる考えを明らかにした。
そして、中国や台湾情勢に言及し、企業の経済活動が影響を受ける国々に生産拠点を放置することはできず、安全な第3国への移転か日本に戻すかのふたつの道しかないという認識を示した。
両氏は時を同じくして同様の懸念を示したわけだが、その背後にはいくつかの理由が考えられる。