BEV普及の欧州 まずは「充電インフラ」整備ありきも 日本はなぜか後回し、いったいこの差は何なのか【連載】和田憲一郎のモビリティ千思万考(10)

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欧州では、電気自動車のみならず他のe-Mobilityも含めた包括的な充電インフラ整備計画が進んでいる。その紹介とともに、充電インフラの在り方について考えてみる。

充電インフラとクルマ

電気自動車普及のカギは?(画像:写真AC)
電気自動車普及のカギは?(画像:写真AC)

 バッテリー電気自動車(以下BEV)が普及するにつれ、充電インフラが重要となってきている。日本では「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」にて、2030年までに普通充電器12万基、急速充電器3万基を設置する目標を掲げている。また水素ステーションはまだ160カ所程度であるが、2030年には1000カ所設置の目標を掲げている。

 一方、BEVの普及が進む欧州では、日本と異なり、BEVのみならず他のe-Mobilityも含めた包括的な充電インフラ整備計画が進んでいる。今回はこれを紹介するとともに、充電インフラの在り方について考えてみたい。

 以前に、欧州のかなりの地域を訪れ、行政やインフラ関係者と話をしたことがあるが、そこで感じたのは、充電インフラに関してちょっと日本と考え方が違うということである。彼らはとにかく計画優先、最初に大きな投網を掛けようとする。つまり、まだBEVが普及していなくても、将来普及する見込みがあると考えると、事前に複数年の計画を立てて準備していく考え方である。

 ある意味、「充電インフラが先、クルマが後」ということができる。それに対して、日本はどちらかと言えば逆であり、クルマが発売されてから、充電インフラを準備していく姿勢のように見える。

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