BEV普及の欧州 まずは「充電インフラ」整備ありきも 日本はなぜか後回し、いったいこの差は何なのか【連載】和田憲一郎のモビリティ千思万考(10)
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欧州では、電気自動車のみならず他のe-Mobilityも含めた包括的な充電インフラ整備計画が進んでいる。その紹介とともに、充電インフラの在り方について考えてみる。
欧州の包括的な考え方とは

今回の改訂でも欧州の戦略的な考え方を知ることができる。つまり、欧州全体を網羅するネットワーク(TEN-T)を最初に構築し、その後、技術開発が進むにつれ、必要になってきた各種インフラ(例えば電気自動車、燃料電池車、船舶、航空機向けなど)を、その上に植え付けていく多層構造としていることである。
まさに「インフラが先、モビリティが後」の考え方である。一方、日本では、電気自動車や燃料電池車、船舶のインフラは、それぞれが移動体ごとに設置していく方法が取られている。しかし、考えてみるとどれも移動体として必要なインフラである。最初に全体を考え、時代に応じて追加設定していく欧州の考え方は、やり直しが少なくなるように思う。日本でも一考の余地があるのではないだろうか。