課題山積の大田区「蒲蒲線」 4月の区長退任で風向きどうなる? 駅間800mを阻む厚き壁の行方とは

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大田区の松原忠義区長が12月22日、今春に実施予定の区長選に出馬しないことを表明した。これにより4期にわたって続いてきた松原区政は幕を下ろす。

課題山積の蒲蒲線

蒲蒲線の構想図(画像:大田区)
蒲蒲線の構想図(画像:大田区)

 こうした経緯もあり、一時的に大田区と京急の間には険悪な雰囲気も漂った。現在も京急のエアポート快特は京急蒲田駅を通過するが、時間の経過とともに大田区と京急の関係は以前より改善している。

 立体交差化後、大田区が取り組む鉄道政策の軸足は約800m離れている京急蒲田駅とJR蒲田駅との間をつなぐ鉄道計画、いわゆる蒲蒲線に移った。

 蒲蒲線の議論は始まったが、そこには課題が山積している。蒲蒲線はJR京浜東北線に接続する東急線を京急蒲田駅まで延伸させるというものだが、東急の軌間が1067mmに対して京急の軌間は1435mmと異なる。そのため、現状のままでは東急線の電車が京急空港線に乗り入れできない。

 蒲蒲線の意義は、第一に乗り換えの不便を解消するところにある。東急線が京急蒲田駅まで延伸しても乗り換えは発生してしまう。乗り換えが解消できないのなら、多額の費用をかけて蒲蒲線を実現する必要はあるのか。そんな懸念も示されている。

 同じ乗り換えを強いられるのなら、蒲田駅と空港の間を直通する連絡バスを増便した方が利便性向上につながる考える人もいるだろう。それでも、大田区内の自治会などによって協議会が立ち上げられ、大田区も蒲蒲線の早期実現に向けて期待を寄せている。

 まだ蒲蒲線が実現するかどうかもわからない。仮に実現するにしても、相当な歳月を必要とするだろう。松原区長の在任期間で、大きく動く可能性も少ない。

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