東海道新幹線の停電事故 現場大混乱も4時間で復旧、洗練された緊急対応は「2010年代」からだった!

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東海道新幹線の停電事故が12月18日、発生した。東京~新大阪間では最大4時間の運転見合わせとなり、74本が運休、114本が最大4時間28分遅れるなど、約11万人に影響が出た。過去同様の件について振り返る。

約11万人の足に影響

東海道新幹線(画像:写真AC)
東海道新幹線(画像:写真AC)

 東海道新幹線の停電事故が12月18日、発生した。

 東京~新大阪間では最大4時間の運転見合わせとなり、74本が運休、114本が最大4時間28分遅れるなど、約11万人に影響が出た。

 事故発生が日曜午後ということもあり、旅行者などの多いターミナル駅では多くの人たちが右往左往し、大混乱となった。

 JR東海によると、停電は13時頃に豊橋~名古屋間の上下線で発生した。

 上り線はすぐに運転を再開できたものの、安城市内の下り線でトロリー線をつり下げる吊架線(ちょうかせん)が切れていたことから、復旧のため上下線で運転見合わせとなった。

36年前は「5時間14分」の遅れ発生も

混雑する駅のイメージ(画像:写真AC)
混雑する駅のイメージ(画像:写真AC)

 架線が切断し停電に至った理由は現在も調査中だが、鉄道で架線切断が原因となり列車が運転見合わせになるのは、まま起きる。新幹線でも数年に一度は、なにがしかの理由で架線が切断したり、電気を送ることができなくなったりして、乗客の足が乱れる事故が起きている。

 事故理由は、不可抗力なものから、完全にミスだったものまでさまざまだ。1986(昭和61)年11月12日に東海道新幹線の三島~静岡間で発生した停電では、最大で

「5時間14分」

の遅れが発生し、約2万1000人の足が乱れた。国鉄は当時、東京駅に「列車ホテル」を準備するとともに、会議室を開放した。さらに13日午前2時半と3時半、国電区間で臨時列車を走らせる対応を取っている。

 この停電は架線が切断したことによるものだが、原因は保守点検のミスだった。当時利用されていた架線は直径12.34mmで、耐用年数は3年とされていた。直前点検の際には直径が6.5mmまで摩耗しており、取り換え基準の8.5mmを下回っていた。ただ、激しい摩耗は一部だったため、

・耐用年数に達していない
・近々架線の総取り換えが予定されていた

ことを理由に「まだしばらくは耐えられる」と判断したところ、切断に至ってしまった。

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