高速道路を使わないユーザーには無駄? 「三角表示板」がなぜか標準装備にならないワケ

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高速道路での緊急停止時に必要な三角表示板。しかし、多くの車には標準装備されていない。2022年、NEXCO中日本で発生した33件の死亡事故のうち42%が停止車両との衝突によるもの。三角表示板の標準装備は本当に必要なのか、議論は続いている。

緊急時に欠かせないもの

三角表示板(画像:写真AC)
三角表示板(画像:写真AC)

 自動車の装備品のなかには、トラブルが発生したときにしか使わないものがある。そのひとつが三角表示板だ。三角表示板は、高速道路で緊急停止した際に道路に設置する表示板で、道路交通法では「板状の停止表示器材・停止表示板」と表現されており、形状は中空の正三角形と決められている。

 もし高速道路で緊急停止した場合、この三角表示板を設置しなければ道路交通法違反になる。緊急事態であるとはいえ、高速道路で停車することは非常に危険だ。後続車との衝突を防ぐために表示義務があることは十分に理解できる。

 普段は使わないが、緊急時には安全を確保するために不可欠な三角表示板。法律違反にもなるため、車に備えておく必要がある。しかし、ほとんどの車種では三角表示板が

「標準装備されていない」

のだ。なぜなのだろうか。

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