新幹線「のぞみ」貸し切りサービス話題も こだま需要開拓のが先決ではないのか

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JR東海は先日、「貸切車両パッケージ」の販売開始を発表した。しかし重要なのは、のぞみより「こだま」の活性化ではないか。

貸し切りを事業を行う背景

のぞみ(画像:写真AC)
のぞみ(画像:写真AC)

 12月15日の定例会見で、JR東海の金子慎社長は「のぞみ」の車両を1両単位で貸し切りにする「貸切車両パッケージ」の販売開始を発表した。JR東海がこのような旅行商品を販売するのは、コロナ禍で落ち込む対面イベントの需要喚起が狙いだ。車内に液晶モニターやスピーカーなど、多種多様な設備や機器を設置して、社員研修から卒業旅行まで、幅広い需要を取り込む格好だ。

 東海道新幹線は、JR東海のドル箱路線だけでなく、日本の“大動脈”でもある。コロナ禍以前は、東京~新大阪間の1日当たりの断面輸送量(片道)が約35万人に上るなど、JR東海の収入の8割以上を稼ぎ出す非常に重要な路線だったが、一部の時間帯で慢性的な混雑が生じていた。その後、コロナ禍による外出自粛やテレワークの普及などもあり、需要はコロナ禍前の水準に戻っていない。

 以前のJR東海であれば、

「1編成当たり定員1323人の順守」

をJR西日本に要求するくらい、需要は逼迫していたが、現在は変化が生じている。グリーン車を上回る居住性を有する座席の導入を模索するなど、コロナ禍が収束しても、以前のような需要に戻らないと考えるようになったのだ。それなら、客単価を上げてコロナ禍前の売り上げ水準を維持したいと考えるのが自然だ。

「貸切車両パッケージ」は乗車率を少しでも上げようとするのが目的で、対象となる車両は、普通車が13~16号車、グリーン車は8~9号車だ。なお、学校単位などで利用する際は、1~16号車の全車両を貸し切りこともできる。

 のぞみのなかでも貸し切りサービスの利用が可能なのは、東京~新大阪間で運行が完結するもので、山陽新幹線へ直通するものでは実施しない。また、実施する駅も首都圏では、

・東京
・品川
・新横浜

で、名古屋、関西圏では京都、新大阪となっている。つまり、首都圏の駅~名古屋間や首都圏の駅~京都・新大阪という利用しかできず、名古屋~京都・新大阪間では、利用ができないのだ。

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