東海道新幹線の停電事故 現場大混乱も4時間で復旧、洗練された緊急対応は「2010年代」からだった!
東海道新幹線の停電事故が12月18日、発生した。東京~新大阪間では最大4時間の運転見合わせとなり、74本が運休、114本が最大4時間28分遅れるなど、約11万人に影響が出た。過去同様の件について振り返る。
停電の最中にさらなるトラブル発生も

明らかな保守の判断ミスで運行に支障が出たわけだが、架線に支障が出る理由はほんとうにさまざまだ。
1992(平成4)年11月21日、静岡県静岡市の東海道本線で起きた停電では、約3時間半にわたって東京~新大阪間の全線が不通となり、56本が運休した。加えてこの事故の最中に、三島~静岡間において大雨で運転見合わせも起こったため、ダイヤが終日乱れる騒ぎとなった。
この停電の原因は、新幹線ではなく
「東名高速道路」
で行われていた工事だった。事故が起きたのは静岡市駿河区用宗巴町の東海道本線と東名高速道路の交差する地点だ。
この日、東名高速道路の外側で足場を組んで工事を行っていたところ、足場が幅約40mにわたって垂れ下がり、約6.5m下の新幹線の架線に接触、停電した。新幹線にとっても災難だが、こんなに大規模に足場を崩壊させてしまった東名高速道路はさらに真っ青だったろう。ただ、事故後の数時間で足場を撤去して、運行を再開させているため、その技術力は評価に値するだろう。
停電理由には人為的なもの以外もある。
1994年6月10日、東海道新幹線の静岡~新富士間で事故が発生した。理由は、カラスが架線と架線を支える支柱の間に挟まったためだった。この事故では高圧電流がカラスと支柱を伝って地面に流れ、静岡駅構内にあるポイント制御用のケーブルと信号回路が焼き切れた。このため、自動列車制御装置が使用不能になり、1時間11分にわたって、全線で運転見合わせとなった。
このように、さまざまな理由で停電が発生し、新幹線のダイヤが乱れる事故が起きている。ちなみに、携帯電話の普及以前は現在以上の混乱が見られた。