世界的なコンテナ不足が引き起こした「海上運賃の高騰」 この混乱は今後も続くのか、はたまた収束するのか

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近年、コンテナ運賃が急騰している。その背景にあるのが世界的なコンテナ不足だ。いったいなぜか。

コンテナ不足により引き起こされる問題

コンテナ生産量の推移。「国際コンテナ輸送を巡る最近の状況」より(画像:国土交通省)
コンテナ生産量の推移。「国際コンテナ輸送を巡る最近の状況」より(画像:国土交通省)

 海上運賃の高騰は、世界的なコンテナ不足により引き起こされていることを解説した。実は、コンテナ不足は海上運賃高騰以外にもさまざまな問題に発展する可能性がある。例えば、

・国際物流の輸送遅延
・物価の上昇

だ。

 実際、2020年以降、2022年に至るまでコンテナ船の滞船が常態化している。例えば、日本から海外に発送した場合は2019年以前と比べると日数がかかってしまうことが多くなっているのだ。なお、こうした国際物流の遅延はロシアによるウクライナ侵攻を要因とする航空便が欠航・運休していることも要因として挙げられる。

 ふたつ目の物価の上昇は、「コンテナ運賃の高騰 = 輸送コストの高騰」により、その分が物価に転嫁されるというものである。

 2022年には世界各国でインフレが進み、米国や欧米各国でインフレを抑えるために金利の引き上げを行っている。このインフレの要因は、コロナ禍対策として補助金などでお金を多く使ったことが原因として考えられているが、コンテナ不足もその要因の一端を担っているともいえる。

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