物流を破壊する「送料無料」 消費者の“当たり前”は業者の犠牲でできている、政府はすぐに表記を是正せよ

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ECサイトを利用して、送料無料であることはもはや珍しくなくなった。しかし、誰かの手を介して物が送られてくる以上、その料金は誰かが負担しているのである。

「送料無料信仰」という名の病

全国の20~69歳の男女1000人を対象に行った「EC」のアンケート(画像:ネオマーケティング)
全国の20~69歳の男女1000人を対象に行った「EC」のアンケート(画像:ネオマーケティング)

 しかし、その信仰に泣くのは運送業者であり宅配ドライバーである。

 店舗も負担するかもしれないが、運送業者や宅配ドライバーは配送そのものが仕事であり、その対価を不当に削られる道理がない。ましてや、彼らの仕事は無料ではない。やはり、送料無料はかつて経済産業省が「消費者が物流コストを正しく認識しづらい」と指摘した通り、まず言葉から是正しなければいけない問題だろう。もっとも、その経済産業省が2020年のインターネット販売推進事業を紹介するサイトにて

「本事業を活用することで、全国各地の消費者に送料無料で商品をお届けすることができます」

などとうたってしまっているので、本当に根深く、根強い

「消費者の病気」

といってもいいのかもしれない。

 そしてこの送料無料もまた、日本の血流であるはずの「物流に対する軽視」であり、大げさでなく「職業に対する冒涜(ぼうとく)」といっても差し支えないだろう。

 言葉の問題なのかという向きもあるだろうが、先に「お客さまは神様です」で触れたように、言葉がその国の文化を、社会を誤った方向に導く例があることもまた事実。

 抜本的な送料負担の問題解決や消費者の意識改革はもちろんだが、この送料無料という表記そのものの是正も、経済産業省を始め、政府として取り組み直してみてはどうだろうか。

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