物流を破壊する「送料無料」 消費者の“当たり前”は業者の犠牲でできている、政府はすぐに表記を是正せよ
ECサイトを利用して、送料無料であることはもはや珍しくなくなった。しかし、誰かの手を介して物が送られてくる以上、その料金は誰かが負担しているのである。
とにかく「無料」は強い

一体なぜなのだろうか、大手ECサイトの元営業マンに聞いた。
「とにかく、無料って言葉は強いんですよ。無料は何より強い。送料弊社負担もサイト内のごく一部で使われてますが、送料無料に比べたら訴求力はないですね。比較にならない」
これについて、実際にECサイトでネット店舗を営む経営者にも聞いた。彼の店も送料無料をうたっている。
「どこかに無料って言葉を使いたいんですよ。検索でも送料無料は上位キーワードですからね。それに送料弊社負担はわかりづらくてキャッチーじゃない気がします。「負担」って言葉もよくないですね」
言葉の前に「弊社」とついても客の多くは負担という言葉にネガティブな感情を抱くのでは、とのこと。いっぽう、無料は得した気分になれるとも。かつて送料弊社負担を使うも結局、送料無料に戻したマニア向けのグッズ販売店経営者はこう語る。
「客のなかには「負担ってどういうことですか」って聞いてくるのもいるんだよ。「弊社」がわかんないってね。送料を負担、つまり払わされるんじゃないかって。本当にいろんな客がいるからね。こういう言い方よくないけど、限りなく下に合わせたら送料無料、が一番わかりやすくて喜ばれるんだ。これが現実だよ」
それぞれの立場、販売する商品によっても変わるのかもしれないが、結局のところ送料無料が一番わかりやすく訴求力がある。これを覆すのは容易ではないということか。
「でもね、ECサイトで店出してる場合、お店がそれを望まなくても、サイト側というか営業が送料無料を勧めてくる場合があるんだよ。こちらが(送料を)かぶっている場合、うちだって「送料はうちが払ってます」っていいたいよ」