「運送料を保障せよ」 韓国のトラック運転手が怒りのストライキ突入も、日本ではワンマン社長におびえる社員たち 今こそ「物流 = 国家の血流」の認識を

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世界的なインフレ、コロナ禍、ウクライナ侵攻などの影響により、各国で運輸関連のストライキが多発している。隣国・韓国ではトラック運転手たちによるストライキが再燃し、再び韓国経済に影響を与えようとしている。

2万2000人が参加

韓国・ソウルの大韓石油パイプライン社支店前で、ストライキ中の運転手の横を、非組合員の運転するタンカー(右)が警察の保護下で通過する。2022年12月2日撮影(画像:EPA=時事)
韓国・ソウルの大韓石油パイプライン社支店前で、ストライキ中の運転手の横を、非組合員の運転するタンカー(右)が警察の保護下で通過する。2022年12月2日撮影(画像:EPA=時事)

 韓国のトラック運転手たちによるストライキが再燃し、再び韓国経済に影響を与えようとしている。

 2022年11月24日、韓国の労働組合・全国民主労働組合総連盟の貨物連帯が無期限のゼネラルストライキに入った。貨物連帯は韓国のトラック運転手、特に個人事業主を中心とした団体で、2万2000人のトラック運転手がストライキに参加するとした。

 ストライキの目的は、

「最低限の運送料の保障」

だ。

 日本の一部業者でもそうだが、韓国でもトラック運転手が速度超過、過積載走行の強要や理不尽な過剰労働を強いられている。2020年、これらの問題や罰則を荷主側に科すなどの対策を盛り込んだ「安全運賃制」が導入されたものの、2022年で廃止されることとなった、これに伴う労働者の怒りがストライキ突入のきっかけである。

 さかのぼって6月、韓国では同様にコンテナトレーラーやセメント輸送車などの貨物連帯が大規模なストライキを起こし、非組合員のトラック運転手をも巻き込んで大変な打撃を受けた。

 自動車メーカーは、カーキャリア事業者やドライバーのストライキによって自動車を輸出港や国内ディーラーに運べなくなり、自社の社員が完成車を運転して運ぶはめに陥り、それでも需要に対して圧倒的に足りないまま出荷が滞る事態となった。セメント業界もまた、生コン工場が稼働中止、韓国全土の生コン工場1085か所のうち約60%がセメントの在庫切れで稼働を止めた。

 この時のストライキの理由は「燃料価格の高騰」を解決できない政府と、先に触れた安全運賃制の維持拡大だ。この一連のストライキによって6日間の損失額は1兆5868億ウォン(約1660億円)、国土交通部(日本の国土交通省にあたる機関)が交渉して事実上、折れる形で収束したが、また繰り返すこととなった。

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