「運送料を保障せよ」 韓国のトラック運転手が怒りのストライキ突入も、日本ではワンマン社長におびえる社員たち 今こそ「物流 = 国家の血流」の認識を

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世界的なインフレ、コロナ禍、ウクライナ侵攻などの影響により、各国で運輸関連のストライキが多発している。隣国・韓国ではトラック運転手たちによるストライキが再燃し、再び韓国経済に影響を与えようとしている。

ワンマン社長が組合阻止するケースも

並ぶトラック(画像:写真AC)
並ぶトラック(画像:写真AC)

 現場のトラックドライバーにこうした各国の状況について話を向けると、少ないながらも意見を出してくれた。

「そうやって待遇や賃金の交渉ができるのはうらやましい。しかし連帯すると言ってもどうしていいかわからない。組合はあるのは知っているが、よくわからない」
「うちの会社は組合に入るとクビです。それって違法なんですか? 組合を立ち上げようとした社員も解雇されました。ワンマンオーナーだからやりたい放題ですよ」
「ストライキをやるより他(の会社)行ったほうがいいんじゃないですか。そもそもどうやっていいのかわかりません」

 もちろん、日本にも大手各社に組合があり、個人で加入できる組合もある。しかし、現実的には紹介した各国のような全国規模のストライキや各種運動ほどに結びついているかと言えば、「NO」だろう。また、労働者の待遇改善や賃上げは正当であれば受け入れられるべきだが、国全体が疲弊するまでのストライキは結局のところ、その国の経済ならびに国民生活の悪化、ひいては結局ストライキ当事者にもそのダメージが及んでしまう。このジレンマに各国は苦しんでいる。

 ただ、日本もさらなる物流関係も含めた労働力の不足である「2024年問題」が待ち構えている。この国の場合、ストライキを起こすまでもなくただ低賃金、低待遇、人手不足で物流が滞る未来のほうが現実味を帯びているように思う。

 また、各国のストライキは大半をこうした国々との輸出入に頼る日本にも影響が及んでいる。海外のストライキ情報など、なかなか大きなニュースにはなりにくいが、対岸の火事ではまったくなく、日本もまた、回り回ってこれらのストライキの影響を受けるだろう。そして「2024年問題」に対しての有効な対策もなきまま、ロジスティクスの軽視を続けている現実がある。

 物流に限った話ではなく、こうした現在進行系である他国の失策を参考に、いまこそ30年間上がることのなかった賃金水準の上昇を本気で考えなければ、日本もまたさらなるインフレと経済の悪化、国民生活の崩壊を招きかねない。

 物流とは「国家の血流」、滞ることはこれほどまでに恐ろしいことなのだ。

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