20年前の大躍進! 単なるアクセス路線だった「こどもの国線」が通勤線に“昇格”したワケ

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長津田~こどもの国間を結び、東急電鉄が運送する「こどもの国線」。同線はなぜ通勤線化されたのか、歴史をたどる。

駐車場のパーク&ライド化は可能か

AssistMotionの歩行補助ロボットcuraraR(画像:東急)
AssistMotionの歩行補助ロボットcuraraR(画像:東急)

 こどもの国線の通勤線化から月日が流れ、東急電鉄はY000系の第1編成を「うしでんしゃ」、第2編成を「ひつじでんしゃ」にフルラッピング、車内も改装して、こどもの国線とこどもの国を盛り上げている。

 2022年11月21・22・24・25・28日には、AssistMotionと共同で歩行補助ロボットcuraraRを活用した実証実験があり、こどもの国線の往復乗車および、こどもの国の散策が行われた。こどもの国線は、“あらゆる可能性を秘めた路線”といえるだろう。

 今後の注目点としてふたつあげておきたい。

 ひとつ目は、一部の沿線住民が小田急電鉄の鶴川延伸を望んでいること。実は1990(平成2)年に東京都多摩振興構想懇談会が、こどもの国線こどもの国~鶴川・町田北部方面間の延伸構想を打ち出している。

 それを実現させるには、恩田~こどもの国間を高架化、もしくは地下化しない限り、難しい。仮に開業すると利便性向上のほか、小田急線が事故や車両故障でストップした際、こどもの国線と田園都市線を乗り継げば、振替輸送として機能する。

 ふたつ目は、こどもの国協会が保有する駐車場のパーク&ライド化だ。こどもの国駅前の正面駐車場は820台分収容できるが、少なくとも平日はガラガラが目に付く(夏休みやゴールデンウィーク等は状況が異なるが)。公道が片側1車線のせいか、こどもの国協会では右折入場を禁止し、左折入場を基本としている。

 これを撤廃させるには、横浜市が公道に信号を設置する、右折レーン新設などの改良工事などが必要になるだろう。右折可能に整備することで、入場開始時刻を8時30分から2~3時間繰り上げるなど、駐車場のパーク&ライド化を図り、通勤者が利用しやすい環境を創出してもいいのではないか。

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