「臨海地下鉄」構想、都主導で中央区そっちのけ? 現場からは「TX接続言及なし」の戸惑い、そもそも都バス増発が先ではないのか
中央区が渇望した「臨海新線」
『読売新聞』電子版が11月24日、「臨海地下鉄」新線のニュースを報じ、話題を呼んでいる。記事によれば、計画の詳細は小池百合子都知事が近く公表する。
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路線は東京駅から有明方面へ約6kmで、東京駅の北東側に設けられる新駅から、
・新銀座
・新築地
・勝どき
・晴海
・豊洲市場
・有明・東京ビッグサイト(いずれも仮称)
を経るとされている。JR東日本が計画を進めている「羽田空港アクセス線」との接続も検討しつつ、2040年代前半の開業を目指す。
報道で広く知られることになった同計画だが、先んじて、建設業界紙『日刊建設工業新聞』11月10日付がこれまでの経緯を詳報している。
これによれば、臨海新線の事業化は2021年7月に行われた国土交通省の交通政策審議会で
「つくばエクスプレスとの接続も含め、事業化に向けて検討の深度化を図るべき」
との答申があったことで具体化。9月には、東京都が有識者で構成する「都心部・臨海地域地下鉄構想事業計画検討会」を設置、これまで3回の会合を開き検討が進められていた。
これまで臨海新線構想を声高に主張していたのは、路線の多くが走る東京都中央区だった。おりしも2022年11月8日、区役所や町内会の関係者を集め、区内の月島第二児童公園にて新線推進を目指すパネル展示と集会が開催されたばかりだ。
中央区は2014年、臨海部と都心部を結ぶ地下鉄新線の調査検討を開始し、一貫して建設を求めてきた。臨海部の公共交通として、ゆりかもめの延伸(豊洲駅から勝どき・晴海方面)を検討する声もあったが、同区は一貫して延伸を拒否してきた。
一時は、晴海通りに路面電車を新設する構想も浮上したが、その後は地下鉄新線の建設を求めて揺るがなかった。