「ゆりかもめ」延伸計画はいずこへ? 湾岸エリアは人口増加中、どうなる今後の交通事情

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本格運行が遅れている東京BRT。そんな状況で期待されるのが「ゆりかもめ」の延伸だ。いったいなぜなのか。

過去にあった環状化計画

ゆりかもめ(画像:写真AC)
ゆりかもめ(画像:写真AC)

 東京都心と湾岸エリアを結ぶ、バス高速輸送システム「東京BRT」の本格運行開始に遅れが出ている。専用レーン未設置などの観点から、湾岸エリアの交通事情改善に対する疑問の声も出ている。

 そうしたなかで求められているもの――それは、新橋駅から豊洲駅までを結ぶ新交通システム「ゆりかもめ」の延伸だ。東京五輪の招致が決定した際、豊洲駅~勝どき方面へ延伸、新橋駅で接続して環状路線となる期待もあったが実現しなかった。

 本来、ゆりかもめは湾岸エリアの交通状況を改善する「本命」になるはずだった。しかし、中央区による反対がそのネックになっていることは意外に知られていない。

2004年までは当たり前だった計画

豊洲駅前のゆりかもめ終端部分(画像:(C)Google)
豊洲駅前のゆりかもめ終端部分(画像:(C)Google)

 ゆりかもめの豊洲駅を利用すればすぐ分かるが、豊洲駅前の交差点に面した終端部分は、将来の延伸を見越した構造になっており、勝どき方面へカーブした形状となっている。

 2000(平成12)年の「運輸政策審議会答申第18号」は、豊洲~勝どき間を2015年までに整備着手することが適当であるとしており、2006年に豊洲駅まで延伸開業した際には、間もなく整備が始まると見られていた。ところが、現在に至るまでまったく手が付けられていない。

 豊洲駅への延伸工事が実施されていた2004年頃には、豊洲から先、勝どきまで約3.9kmの延長計画もあることは当たり前に紹介されていた(『読売新聞』2004年8月20日付)。

 東京五輪の招致が決定した際には、工事もいよいよ開始されると見る人も多く、湾岸エリアや東京の交通事情を解説した本でも、ゆりかもめの環状化計画は存在していることに触れたものが多い。

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