「臨海地下鉄」構想、都主導で中央区そっちのけ? 現場からは「TX接続言及なし」の戸惑い、そもそも都バス増発が先ではないのか

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『読売新聞』電子版が11月24日、「臨海地下鉄」新線のニュースを報じ、話題を呼んでいる。記事によれば、計画の詳細は小池百合子都知事が近く公表する。

都交通課は「蚊帳の外」

建設業界紙『日刊建設工業新聞』のウェブサイト(画像:日刊建設工業新聞社)
建設業界紙『日刊建設工業新聞』のウェブサイト(画像:日刊建設工業新聞社)

 実現可能かどうか当初疑問に思われていたが、2021年の交通政策審議会の答申以降は勢いづいたのか、2022年の推進集会で登壇した吉田不曇(うずみ)副区長は

「都や国が(計画を)近々発表し、おおよそ新線の位置や駅が決まってくるはずだ」

と発言し、期待を強めていた。

 そうしたなかでの報道である。中央区役所では今後どのように新線計画に参画していくのか――交通課に24日、聞いた。

「私たちも今日の報道を見て知ったので、これからどう対応するかを検討しているところです」

計画を求めているはずの中央区が、「今日知った」とは一体どういうことなのか。

「東京都の検討会は有識者を招いて実施するもので、中央区は参加していません。そのため、私たちも議事録などを基にどういった話し合いが行われているのか注視していたのです」

これでは、まるで「蚊帳の外」である。

 どうやら、新線建設を求めて中央区が制作した報告書なども参考になっているようだ。ただ、報道を見た限りでは中央区が望む路線になっているとはまだ言い難い部分もあるという。

「まず、つくばエクスプレスとの接続について言及がなされていません。また、報道に付属している地図を見た限りでは、新銀座駅の位置がずいぶんと北に寄っているような気がします」

そして、最大の問題は完成時期が2040年代後半となっていることだ。

「東京都の報告書にどう書かれているのか。まずそれを確認しなくてはいけません。ただ、2040年代に完成ということなら、もう少し早くする方法を東京都と話し合っていかなければなりません」

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