航空需要回復のカギは中国にあり! 東アジア便再開相次ぐも、厳しい入国規制が「最後の砦」だ
中国は「ゼロコロナ対策」継続
新型コロナウイルスによる感染症の拡大で、2020年春以降、世界の多くの国・地域が入国規制を敷いた。その後、感染が収束に向かうにつれ、欧米などは次々と入国規制を緩和。しかし、日本を含む東アジアの国・地域の入国規制はしばらく厳しいままで、「開国」が遅れた。
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そんななか、日本では2022年10月11日からやっと、
・入国数の上限撤廃
・外国人の個人旅行
も解禁となった。
現在のところ期間限定ではあるものの、韓国も日本から観光目的での入国の場合、8月から査証(ビザ)なしで渡航が可能だ。台湾は、10月13日から入国後の隔離義務を撤廃。香港も、9月26日から入国後3日のホテル隔離義務を廃止した。
これら「開国」の動きに合わせ、航空便の増便が相次ぎ、東アジアもやっとコロナ前の時期に戻りつつある。ただ、最も需要が大きい中国はいまだに厳しい入国規制「ゼロコロナ対策」を続けており、航空需要の全面回復にはまだ相当な時間がかかりそうだ。
入国緩和で中国本土以外「増便」ラッシュ
航空各社は入国規制の緩和に伴い、東アジアの運航便を当初の計画より増便する動きが見られる。
例えば、日本航空(JAL)の場合。2022年の10月29日までと10月30日以降、東アジア路線として次を運航する。
・成田 = 北京、北京発のみ週1便 ※変更なし
・成田 = 上海(浦東)、上海発のみ週1便 ※※変更なし
・羽田/成田 = 広州、週1便(羽田発広州行き/広州発成田行き) ※変更なし
・成田 = 大連、週4便 → 週2便
・成田 = 天津、週3便 → 週1便
・羽田 = 香港、週5便
・羽田 = 成田、週5便
・羽田 = 台北(松山)、週6便 → 毎日運航(1日2便)
・成田 = 台北(桃園)、週1便(台北発は週2便) → 週4便
・羽田 = ソウル(金浦)、毎日運航 → 調整中
特に、日本および香港の入国規制緩和に合わせて香港-羽田線の再開を10月11日に前倒し、羽田-台北(松山)線も増便して10月31日から毎日2便運航となった。
全日本空輸(ANA)、また、大韓航空、チャイナエアライン、キャセイパシフィック航空などにも、ほぼ同様の動きが見られる。日本の入国緩和を受け、韓国や香港などからの訪日旅行への申し込みも殺到している。
ソウル便に関しては、JAL運航便は10月30日以降が「調整中」となっている。これは韓国政府が11月以降のビザ取り扱いを正式表明していないため。現在のビザなし延長、またはコロナ前同様にビザ不要となった場合、運航便の数は現状維持または増便となるだろう。