鉄道の未来は貨物にある! JR九州初代社長が道内「北方4線」を国策維持すべきと力説するワケ

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JR九州の初代社長・会長を務めた著者は日本の鉄道の未来の鍵は「むしろ貨物にある」と主張する。いったいなぜか。

鉄道の未来は貨物にあるのか

国労、動労のスト突入で駅構内に張られた組合のスローガン。港区の国鉄品川駅。1980年4月撮影(画像:時事)
国労、動労のスト突入で駅構内に張られた組合のスローガン。港区の国鉄品川駅。1980年4月撮影(画像:時事)

 さらに、1975(昭和50)年のいわゆるスト権ストが貨物の鉄道離れを決定的なものにした。

 国鉄の職員にはストライキが禁止されていたが、国労や動労といった国鉄の労組がストライキ権の獲得を目指して行ったのがスト権ストである。以前から、荷主からは小規模ストによって時間通りに荷物が届かないといった不満が上がっていたが、スト権ストにおいて政府が全日本トラック協会に振替輸送を要請し、大きな混乱がなかったことから、貨物は鉄道からトラックへと決定的にシフトしていったのだ。

 この時期から、国鉄の貨物は、赤字を解消するために運賃が値上げされ、それがさらなる貨物の鉄道離れを引き起こすという悪循環に陥った。

 国鉄の分割民営化に向けた議論においても、鉄道貨物の将来についてのビジョンは描かれず、取りあえず黒字を確保するための資産の圧縮が優先された。この資産圧縮の過程で、東海道本線の貨物別線や武蔵野線の一部、山手貨物線は旅客会社の資産に編入されている。

 このように、分割民営化時においては「鉄道貨物安楽死論」さえ唱えられたが、著者は日本の鉄道の未来の鍵は

「むしろ貨物にある」

と主張している。

 著者は「平時旅客」「有事貨物」という言葉を使っているが、戦争だけではなくコロナ禍のようなパンデミック(世界的大流行)も「有事」と捉え、鉄道の危機を貨物によって打開しようというのだ。

 国鉄の分割民営化後、新幹線によって鹿児島から函館までが結ばれ、さらに2030年度末には札幌までがつながる予定になっている。東海道新幹線は過密ダイヤになっているが、東北新幹線の仙台以北、九州新幹線、北海道新幹線のダイヤには余裕がある。

 さらに将来的には、東京~大阪間に現在の東海道新幹線に加えて、北陸新幹線、リニア中央新幹線が開業することで3本の新幹線が走ることになる。貨物列車を走らせる余裕も出てくるはずだ。

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