飛行機が「欠航・遅延」したらどこまで補償される? 災害大国のニッポン、トラブル対応の最前線とは
近年は雷雨による欠航・遅延も発生
日本で今、大きな自然災害が起こるたびにその影響が公共交通機関に及ぶ。自然災害といえば、以前は地震や台風、豪雪だったが、最近はゲリラ豪雨や雷も多い。
最近では2022年8月4日、東京上空の雷雲の影響により、東京国際空港(羽田空港)で地上作業スタッフの安全確保のため、作業が一時中断。その後、航空便の欠航や大幅遅延が起き、日本全国の運航便に影響が出た。
航空便が欠航・大幅遅延した場合、一定の条件を満たせば、航空会社からの補償が受けられる。ただ、航空会社によって補償内容が異なり、欠航などの理由によっても対応が違う。
航空会社にとって欠航・大幅遅延はイレギュラーな事態であり、補償は負担となる。航空券が安価な格安航空会社(LCC)では、大手航空会社並みの補償が受けられないこともある。航空券を買う前に表示される画面の「国内旅客運送約款」を必ず一読したうえで購入しよう。
理由によって異なる補償内容
まず、航空便が欠航や遅延した場合、どこまで補償されるかは理由によって異なる。突然の機材故障など航空会社都合の場合と、悪天候・自然災害など不可抗力による場合だ。
例えば、日本航空(JAL)の場合。出発と到着の空港において、大型の台風接近や大雪予想、視界不良や強風などが見込まれる場合、数日前に公式サイトなどの「運航の見通し」で発表される。
それが発表された時点で、購入済みの航空券が特別対応となる。JALグループ便への変更(振り替え)ができ、通常は取り消し/払戻手数料が必要な航空券でも、無料で1回変更できる。航空券の払い戻し(キャンセル)も手数料なしで可能。ANAやスカイマークなど、LCCを含む他の航空会社もほぼ同様の対応となる。
一方、機材故障など航空会社都合で欠航・遅延の場合は対応が違う。特にLCCは注意が必要だ。JALグループ便への1回限りの変更は同じだが、大きな違いは
「他社の便にも変更できる」
点だ。
JALが欠航した場合、ANAに振り替えることができ、逆の場合も可能。また、航空機以外の新幹線などの交通機関に変更すると、かかった交通費が航空券代金を上回った差額はJAL負担となる。
また、欠航や遅延によってその日じゅうに自宅など最終目的地への移動手段がない、宿泊を余儀なくされた、到着が翌日になった場合などは、なんらかの補償があることも。ANAではタクシー代などの交通費で上限1万5000円と公式サイトで明記している。
LCCの場合、機材故障などで突然欠航・遅延しても、同じ会社の便に変更(振り替え)か払い戻しのみ。ただジェットスターの場合、航空会社理由だと大手航空会社の対応に近い。