もはや映画並み? 航空会社の「機内安全ビデオ」が近年、大変身を遂げている理由

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近年、飛行機の「機内安全ビデオ」のバリエーションが増えている。いったいなぜか。

ビデオを「いかに見てもらうか」に各社重点

エールフランス航空の機内安全ビデオ(画像:シカマアキ)
エールフランス航空の機内安全ビデオ(画像:シカマアキ)

 飛行機の離陸前、機内での安全について、客室乗務員が紹介したり、ビデオが流れたりする。機内にモニターがない小型機などは、客室乗務員が酸素マスクや救命胴衣の使い方や緊急脱出の方法などを、乗客の前でデモンストレーションする。

 近年は、機内のモニター画面でビデオで流すことが多い。当然ながら乗客はこの内容をしっかり見ないといけない。

 同じ航空会社に多く乗り続けると、同じビデオを何度も見る羽目になる。しかも、どの航空会社も基本的な内容は同じだ。もうわかり切っていると乗客は思っていても、航空会社は緊急時を想定し、乗客に毎回しっかり見てもらう必要がある。

 その

「いかに見てもらうか」

に重点を置き、ビデオを制作する航空会社が近年増加中だ。単調になりがちな内容に工夫を凝らす傾向があるのだ。

 例えば、誰もが知る有名人を登場させたり、映画の最新作とコラボレーションしたりする航空会社も。機内のみならず、YouTube上で公開し、誰でもいつでも見られる機会も増えている。

デルタ航空のビデオが話題に

デルタ航空のエアバスA350(画像:シカマアキ)
デルタ航空のエアバスA350(画像:シカマアキ)

 機内安全ビデオは1980年代に登場した。ちょうど、機内で映画などが見られるモニター画面が標準装備されたころだ。

 当時は機内で喫煙もできたため、タバコに関する案内もあった。1990年代後半ごろから、携帯電話など電子機器の登場で、離着陸時を含めた利用制限の案内が始まった。現在は英語に加え、その航空会社の国の言語、さらに多言語対応も珍しくない。

 航空会社各社が淡々と機内安全ビデオを流していたときに脚光を浴びたのが、アメリカのデルタ航空だった。

 2008年、ビデオに登場した女性乗務員による、機内喫煙禁止を告げる「Smoking is not allowed…」の口調とセクシーさが話題になった。女性乗務員がハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーに似ていたため、「Deltalina」(デルタリーナ)とも呼ばれた。これを機に、遊び心のある内容に挑戦する航空会社が徐々に出始めた。

 2013年に公開されたヴァージン・アメリカ(当時)のビデオでは、ノリのいい音楽をバックにスタッフが踊りながら機内安全について紹介している。ちなみに同社は、空港のカウンターでもこのスタイルで、筆者(シカマアキ、旅行ジャーナリスト)はアメリカ現地で遭遇し、とても驚いた。

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