ETCを超える「ETCX」 料金所以外で重宝も、普及に立ちはだかる「一時停止問題」という厚き壁
ETCの適用範囲を補完・拡充する形で導入され始めたのが「ETCX」だ。いったいどのようなメリットがあるのか。
新たな決済手段の登場
自動料金収受システム(ETC)は2001(平成13)年、本格運用が開始された。利用率は今や93.9%(2022年4月時点)で、社会に広く浸透している。
ETCの最大のメリットは、何と言っても有料道路の料金所をノンストップで通過できることだ。そのメリットを支える構造は、料金所に設置された通信機と自動車に取り付けられた車載器の間を無線通信することで成り立っている。このおかげで、料金所における支払いの煩雑さが解消されただけではなく、料金所を起点とする渋滞が大いに解消されたのだ。
さて、読者の皆さんは「ETCX」をご存じだろうか。ETCXは2020年に設立された「ETCソリューションズ」が提供するサービスで、従来のETCと比較すると普及率が低い、まだ駆け出しのシステムだ。
構造としては、基本的にETCと同じだ。料金所をはじめとする施設に設置された通信機と自動車に取り付けられた車載器の間を無線通信することにより、各種情報処理を行っている。また、利用にあたって事前登録が必要であるものの、通信に利用するのはETCと同じ車載器であり、カードも既に利用中のETCカードをそのまま流用できる。
このようにETCXとETCの共通点は多いが、大きく異なる点もある。それは、
「料金所以外の施設でも利用できる」
ことだ。