実録!本当にあったタクシー強盗 未遂被害に遭ったドライバーが語る「事件の消えない記憶」とは

キーワード :
, , , ,
タクシー業界の内情を知る現役ドライバーが、業界の課題や展望を赤裸々に語る。今回は「乗客からの暴行・傷害」について。

タクシー強盗、都内で年間数十件

街を行くタクシーのイメージ(画像:写真AC)
街を行くタクシーのイメージ(画像:写真AC)

 東京都内では約4万7000台のタクシーが、都心から下町、住宅街まで、まさに迷路のような道を日夜走り回っている。ここでは現役タクシー運転手の筆者が見てきた現場でのエピソードを紹介しつつ、タクシー業界が抱える課題を取り上げてみたい。

※ ※ ※

 警視庁のまとめによると、2021年に都内で発生した刑法犯は7万5288件。うち窃盗犯が6割以上を占めており、知能犯(10.9%)、粗暴犯(8.2%)と続く。強盗などを含む凶悪犯は611件で、全体の0.8%だ。

 詐欺などの知能犯以外は過去10年間で減少傾向にあり、総数は2012年に比べて半分以下にまで減少した。

 タクシー強盗被害はどうか。

 東京タクシー防犯協力会の2018年1月発行の会報によると、2013~2017年の各年に都内で認知されたタクシー強盗事件は、それぞれ36件、44件、39件、51件、46件となっており、減ったり増えたりを繰り返している状況だ。

 月別では3月が最も多く、時間帯別では未明2時~、4時~、22時~台が多く、曜日別では土曜と水曜。被害平均額は8070円という。

 とはいえ現場の感覚としては、仕切り板や防犯カメラ、ドライブレコーダーが搭載されたことによって、それ以前と比べれば、タクシーにまつわる治安はずいぶんマシになったというのが正直な感想だ。

全てのコメントを見る