実録!本当にあったタクシー強盗 未遂被害に遭ったドライバーが語る「事件の消えない記憶」とは

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タクシー業界の内情を知る現役ドライバーが、業界の課題や展望を赤裸々に語る。今回は「乗客からの暴行・傷害」について。

警察が現着するまでの暴行 一部始終

街を行くタクシーのイメージ(画像:写真AC)
街を行くタクシーのイメージ(画像:写真AC)

「ありがとうございます。×××円です」
「カネを持ってない。今度払う」

 1000円に満たない少額とは言え、こちらはサービスで走っているわけじゃない。少し憤慨して「乗り逃げするということでしょうか? それはできません」と対応した。

 するとふたり組は、まるで2匹のドラゴンのように豹変(ひょうへん)し、外国語で雄たけびを上げた。突然、筆者を車から引きずり下ろすと、殴るけるの暴行に及んだ。

「えーー!? マジこいつらに殺されるぅー」

 筆者は電光石火のパンチによろけながらも、その場から何とか逃げようとした。そうすると、背の低い方の男が今度は羽交い絞め役になり、背の高い方が何度も何度も何度も殴ってくる。

 大声のどなり声に気付いた市場の人たちが、警察に連絡してくれたのだろうか。間もなくパトカーがサイレンを鳴らしてバババッと現場に到着。筆者は頭が朦朧(もうろう)として、意識がはっきりしない。

 それに対してふたり組は、逃げようともせず携帯電話でよそと連絡を取ろうとしている。警官がその携帯を取り上げ、「コラ、お前たちは現行犯逮捕だ。すぐ連行するからな」。

 筆者の顔や頭はタンコブに血だらけ。服も破れてほこりまみれで、身内には見られたくない哀れな姿だ。救急車もすぐに到着し、首にむち打ち用の医療器具を付けられて、救急病院に運ばれた。

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