「渋滞緩和」が日本経済を回復させる? いったいなぜなのか
経済指標としての「運輸・郵便活動指数」の特性について解説。個人消費の動向を把握する上で、運輸・郵便活動は外せないデータだ。
運輸・郵便活動指数の特性

運輸・郵便活動指数の主要な系列は運輸(鉄道、道路運送、水運、航空、倉庫、運輸に付帯するサービス)、郵便、旅客・貨物運送を含む表の通りとなり、主要な系列のウエートは以下の通りとなっている。
そして、経済指標としての運輸・郵便活動指数の特性については、以下の点が指摘できる。
まず、運輸・郵便活動は、どちらかというと国内総生産(GDP)のなかでも民間需要の動向に影響を受けており、特に個人消費の動向をよく反映している。
実際、運輸・郵便活動指数とGDPとの比較分析をすると、運輸・郵便活動指数の動きは、家計消費の動向とほぼ一致して変動していることがわかる。
個人消費の動向は運輸・郵便活動指数で把握可

中でも、運輸・郵便活動指数の内訳についてみてみると、各指数の変動の違いから以下の傾向が見られる。
大分類で見ると、貨物輸送が相対的に堅調に推移する一方で、旅客輸送や運輸がコロナショックで大きく落ち込んだ水準から回復傾向にある。
運輸の内訳を見ると、コロナショックに伴うネット通販の拡大などにより道路貨物輸送や倉庫が底堅く推移する一方、それ以外の業種はコロナショック以降の大きな落ち込みから徐々に回復する傾向にある。
このように、第3次産業活動指数の運輸・郵便活動指数は、主として個人消費の経済指標として経済動向を把握するだけでなく、各種の運輸活動相互間の比較もできる。
そして、特に運輸・郵便活動指数の伸びを要因分解すると、航空運輸の回復が最も大きいことがわかる。少なくともこれまでは、原油高のマイナスはあるものの、行動制限緩和の好影響が上回ってきたということだろう。
こうしたことから、運輸・郵便活動指数は、内閣府の消費総合指数と同様にマクロの経済指標のなかでも個人消費の動向を把握するために用いることができるだろう。