なぜ日産は英国工場を「中国勢」へ開放するのか? 稼働率「45.5%」の先で動き出した、工場共有という未来

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2025年に稼働率が45.5%へ低迷した日産の英国工場で、中国の奇瑞汽車が委託生産に乗り出す。21%の追加関税に直面する中国勢の現地化の波と、伝統メーカーのアセット有効活用。自社生産という常識を覆す「水平分業」への移行は、自動車産業にどのような地殻変動をもたらすのか。その深層に迫る。

自動車工場を巡る水平分業

日産・英国サンダーランド工場(画像:日産自動車)
日産・英国サンダーランド工場(画像:日産自動車)

 日産自動車は2026年6月3日、英国・サンダーランド工場における乗用車委託生産を検討するため、中国・奇瑞汽車(チェリー)との覚書を締結したと発表した。両社の提携は、英国工場の稼働率改善を望む日産と、欧州市場への進出を加速させたい奇瑞による利害一致に映る。

 その背景には、欧州市場で進む競争環境の変化がある。自動車工場は長らく自社ブランド車を生産するための拠点だったが、巨額の投資をともなう生産設備を自社だけで抱え込むリスクを分散し、外部と共有するという新たな選択肢が現実味を帯び始めている。これは、開発から生産までを一貫して行う従来の垂直統合型モデルから、製造の役割を分担する水平分業型モデルへの広がりを示す動きだ。

 今回の提携協議は、日産と奇瑞による個別の合意にとどまらず、自動車産業における工場の役割が新しい段階へと移行しつつある実態を浮かび上がらせる転換点となった。

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